#3 がん保険に入っているからがんは安心?|がん保険のトリセツ|はじめに
保険は『安心を買う』と表現されることがあります。ではがん保険。がん保険に入っていると、がんのあらゆることに対する安心が得られるでしょうか。
もしくは、がん保険に入ることで、がんに対して十分備えたことになるでしょうか。
目次
残念ながらがんが見つかりました…
今あなたは主治医の先生から、がんの告知を受けました。この時何を思うでしょうか。まっさきにがん保険のことを思い出すでしょうか。
もちろん人それぞれだとは思いますが、まずがん保険という人は少ないかと思います。
私たちの体験…
私は過去に9年弱、がん患者の家族という立場を体験しました。がん患者となった母とともに、主治医からがんの告知を受けました。
聞いた直後は、何か考える余裕はなかったような気がします。少なくともがん保険の存在を気にすることはなかったと記憶しています。
治るのか…?
母が後に語ったことは、告知を受けた後、少し思考が働きだした時、『もしかしたら…』と、死を意識したということ。そして『家族に迷惑が掛かるのでは…』ということでした。
最初のダメージは…
がんの告知を受けて全くショックを受けないという人は少ないのではないでしょうか。やはり、事実を告げられ、まずはメンタル的なダメージを受けるのではないかと思います。
うつ症状が…
がん患者さんの約1割が、うつ病を発症すると言われています。また、そこまでの診断は無くても、一定のうつ症状ということであれば、もっと多くの方が該当するのかもしれません。
がんになったという事実の重さ、そしてその事実を受け入れるまでの時間は、人それぞれ違うのだと思います。
判断に影響も…
メンタル的なダメージがあると、人はなかなか正しい判断をすることが難しくなると言われます。
ただ現実には、がんの告知を受けた際、患者さんはある判断を求められます。
その次に…
がんの告知を受けて、まだ落ち着きを取り戻せない中、主治医の先生は別のはなしを始めます。
がんのステージ
最初に精密検査で分かったがんの状態について説明があります。がんのステージという言葉を耳にされたことがある方もいらっしゃると思います。
治療のこと
そして、そのステージに応じて、治療の提案も併せて行われます。そしてその治療を受けるかどうか、判断を求められます。
お金とがん保険はだいぶ後
がんの告知を受けて、メンタル的なダメージを受け、そして主治医の先生から治療の提案を受け、判断を求められる。もうすでにがんとの戦いは始まっています。
ですから、お金やがん保険のはなしの前にある、メンタル的なことや、治療の選択など情報への備えも、できれば事前にしておく必要があると思います。
お金のはなしはまだ出ない
がん患者さんによっては、治療のはなしが出た段階で、お金のことが気になる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、治療費が実際掛かるのは、治療が終わった後になります。
がん保険もまだ出てこない
がん保険に入っていて良かったと実感できるのは、それで治療費を賄えた時です。がん保険の存在ももちろん大切だと思います。
ただし、がん保険はがんのあらゆることへの備えではなく、治療が終わった後の、治療費への備えだということを押さえておいていただきたいと思います。
がん保険やお金だけでなく、メンタル的なダメージへの備え、治療選択のための情報の備えも併せて持って、初めてがんの安心が持てるのだと考えています。
次回は、がん保険の役割について、触れていきたいと思います。
◇◆◇補足◇◆◇
このがん保険のトリセツは、1つのコラムでの文章量は少なめに抑え、要点だけをお伝えするようにしています。内容について、もう少し詳しく知りたいと思われた方は、是非関連する別のコラムもお読みください。