#9 がんが減らない|がん保険のトリセツ|第1章 がんを知る
がんは今、日本人の死因の第1位です。お亡くなりになる方が多いということは、当然ですが多くの方が、がんの診断を受けているということです。
国はがんで亡くなる人を減らしたいと考えていますが、そのもととなる、がんの診断を受ける人が減らないと、それは達成できません。
目次
がん診断者数は年100万人に
日本で1年間に、新たにがんの診断を受けている人の数は、数年前から約100万人になっています。割合でいうと、人口の1%近くというはなしになります。
毎年約100万人という数値。これを『100万人しか』と見るか『100万人も』と見るか、あなたの場合はいかがでしょうか。
そして増え続けている
毎年、約100万人が新たにがんになっている現状ですが、この数値は今後も増え続けていくと、国は考えています
いくら治療が進歩しているとはいえ、がんになる人自体が増え続ければ、今後もがんでお亡くなりになる方も増え続けるのかもしれません。
出生数との比較
これはがんとは関係ないですが、数年前日本の1年あたりの出生者数が、100万人を割ったことが話題になりました。
あらたに生まれる人数よりも、新たにがんの診断を受ける人の数の方が多い、これはやはり大きな課題と言えるのではないでしょうか。
がんが死因は年40万人
がんが原因でお亡くなりになる方は、年間で約40万人になります。がんの診断者数が、年間約100万人で、そのうちの約4割がお亡くなりになるという見方もできます。
以前と比べて『がん=死』のイメージは薄くなってきていますが、やはり怖い病気であることには変わりはないのだと思います。
死亡者全体のうち
国によると、2021年の日本人の死亡者数は、約140万人ということです。約140万人のうち、がんが約40万人。
死亡者のうちの約3割ががんで亡くなっているという計算になります。やはり自分事として早めにがんに目を向けることが大切なのではないでしょうか。
こちらも増え続けている
がんが死因での死亡者数も増え続けています。日本社会の高齢化などの要因ももちろんあるかとは思います。
ただ、そもそもがんの診断者数が増えているのだから、当然がんで亡くなる人も増えているということが言えるのではないでしょうか。
私たちががんを知らないから
がんが減らない、増え続けている。もちろんいろいろな原因があるかと思いますが、国がひとつの原因として、『私たちががんをしらないから』ということをあげています。
がんは生活習慣病と位置づけられています。すべてではないですが、生活習慣が原因で引き起こされているということです。
正しい予防行動をとれない
がんが、日頃の生活習慣にも原因があることを知らなければ、それを改めようとは思いません。代表的なところでは、飲酒や喫煙、運動不足、不適切な食事などがあります。
国はそういった知識がないことが問題であるとして、様々な対策をとっているのですが、なかなか大きな成果につながっていないのかもしれません。
がん検診の受診率
がんは今、早期に発見できれば治る病気だとも言われています。早期に発見するには検査をするしかないわけですが、がん検診の受診率の低さも問題になっています。
ちなみにがん検診の受診率ですが、国によると全体で約40%台とのことです。これは先進国では最低レベルです。国は50%に持っていくことを、当面の目標にしています。
がん教育がスタート
国は私たちががんを知らないことが原因で、がんが増えていると考えています。そのため、多くの人にがんを知ってもらうための対策を講じています。
ひとつは、学校でのがん教育、そしてもうひとつは、企業への働きかけです。これにより多くの人にがんに対する正しい知識を持ってもらうことを目指しています。
対象は中高生
数年前から中学校、高校の保健体育の授業で、がん教育が行われています。まだ学習する習慣のある人々に必要な知識を身につけてもらう。
これはとても素晴らしいことだと思います。ただしこの教育の成果が確認できるのは、今の中学生、高校生が40代、50代になってからになるという側面もあります。
企業への働きかけ
すでにがんの罹患年齢に達している、もしくは近づきつつある人、いわゆる社会人への教育は簡単にはできません。こちらは企業に対し、従業員への情報提供などをお願いしているのが現状です。
ただこれは、企業にそれを行うための人員や予算があることが前提になるので、簡単ではありません。そう考えると社会人ががんのことを知る機会は、日本では本当に少ないのだと感じます。
日本でがんのことを知る場がない、これは大きな問題だと考えています。そう考えると、がん保険の相談をする機会は、がんのことが自然と話題になる貴重な時間なのだと思います。
このコラムを読んでいただいている方は、是非ご自身ががん保険に加入した時に、保険の担当者からがんに関する詳しいはなしを聞いたかどうか、振り返ってみていただきたいと思います。
次回は『#10 データで見るがん』というタイトルでお話ししたいと思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
◇◆◇補足◇◆◇
このがん保険のトリセツは、1つのコラムでの文章量は少なめに抑え、要点だけをお伝えするようにしています。内容について、もう少し詳しく知りたいと思われた方は、是非関連する別のコラムもお読みください。
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