#7 がん保険の前にがんを知る|がん保険のトリセツ|はじめに

私は過去に、10,000回以上の保険相談会に携わってきました。その中で『がんに備えたいからがん保険に加入したい』という相談も数多く受けてきました。

そんな中、がん保険に加入しに来た人に、結果として違う保険をご紹介し、契約をいただくケースもありました。それはなぜなのか?

がん保険が本当に必要か?

もうすでに何度か触れてきていますが、がん保険は『がんの治療費』への備えの保険です。あなたにとって、がん治療費への備えを保険で行うことが合理的であれば、良いがん保険を選ぶこともひとつの手段です。

ただし、がんのお金は治療費外にも及ぶケースがあります。がんにより収入を失うことへの備えをすることは、がん保険では難しいかと思います。

どこまでの想定をするのか?

ではどの保険かという前に、どういったケースに対して備えをしておくのか?ということを最初に考えなければなりません。

がんの備えということであれば、一番厳しい状況をまずは考えることが必要ではないでしょうか。

イメージと具体的な数値と

がん治療が長期化し、治療費はもちろん、仕事の継続が困難となり、収入面にも影響が出るケース、ここに目を向ける必要があります。

その際、頭の中に映像として浮かぶイメージ、そして併せて具体的にどの程度の金額のお金が必要になるか、この2つが必要になると思います。

お金ですべてが解決するのか?

そして『がんの備え』というテーマで考えるならば、お金以外の影響についても目を向ける必要があると思います。

お金さえたくさんあれば、がんに関することのすべてを解決できるわけではありません。そのあたりは、初めてがんになった瞬間から順を追って、どのような影響があるかを知ることが大切です。

まず最初はメンタル

がんは主治医から告知されて知ることになります。当然それを告げられた時、メンタル的なダメージを受けることになると思います。

いまだに『がん=死』というイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。もちろん人それぞれではありますが、がんの告知を受けて、それでもうおしまいというイメージを持っていると、前向きに治療に向かえない可能性があります。

情報の取り方

また、がんになった時、一般的には治療を受けることになると思います。主治医から提案された治療、ネットで調べて良いと思った治療。ここにギャップがあった時…。

情報の出どころや日本の医療のルールを知っておかないと、主治医との関係が悪化し、がん治療に支障が出る場合もあります。

だからこそがんを知ることから

がん保険は、手術などの治療が終わり医療費の精算時に、そのありがたみを実感することができます。一方、先ほど触れたメンタル的な影響や治療情報のはなしは、がんの告知を受けた瞬間から始まります。

そういったことから、がんに備えるためには、一定の知識などの準備も必要なのだと思います。

がんを知ることが大切なのだが…

ただ『がんをよく理解しよう!』と思った時、どうすれば良いのか?病院はがんになってからお世話になる場所。

実は、学びたいと思っても、それをどこで行えばよいのか、という問題があります。がんになったことのない人が、がんのことを知る場が少ないのが現実です。

がん保険相談の機会を

そこで、がん保険相談の場を大切にしていただきたいと思います。この時は、自然とがんのことが話題となります。

あなたが『がんに備えたい』と、がんに対して興味を持っている瞬間でもあります。この時間を是非大切にしていただきたいと思います。

順番はがん保険からでもいい

私はまずがんのことを良く知っていただき、それから必要な保険について考えていただきたいと思いっていますが、ひとまずがん保険加入からでも良いと思っています。

それは、いつがんの告知を受けてしまうかは、わからないからです。がんの診断を受けてからでは、がん保険のはなしはできなくなってしまいます。

入りたい時に入れない

がん保険には、加入時に診査があります。すべての人がお金さえ払えば、自動的に入れるわけではありません。

そして一度がんの診断を受けてしまうと、がん保険の診査に通らなくなってしまう可能性があるのです。

がんを知る担当者の確保を

がん保険に加入した後には、是非先ほど触れてきたような、知識などの備えを行っていただきたいと思います。

そのために、商品情報だけではなく、実際がんになってしまった時のことを語れる、保険の担当者に出会っていただきたいと思います。

現実、がん保険に加入しているすべての方が、必要な知識を備えているとは限りませんし、それができる担当者がいるとも限りません。

この『がん保険のトリセツ』は、がん保険には入っているものの、知識の備えが十分でない方のお役に立ちたい、そんな思いで書いたものです。

次回から本論、その第1回は、第1章 がんを知る、『#8 日本人とがん』というタイトルで、おはなししたいと思います。

◇◆◇補足◇◆◇

このがん保険のトリセツは、1つのコラムでの文章量は少なめに抑え、要点だけをお伝えするようにしています。内容について、もう少し詳しく知りたいと思われた方は、是非関連する別のコラムもお読みください。

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