#11 2人に1人ががんになる|がん保険のトリセツ|第1章 がんを知る

このフレーズ、日本ではよく耳にします。そしてがん保険のパンフレットなどでも、よく目にします。そしてがん保険を販売する人が口にします。

私は過去に10,000回以上の保険相談会に携わってきましたが、お客様の方からおっしゃられるケースも少なくありませんでした。

あくまで一生涯で

このフレーズ、頭に着く言葉が外されて『2人に1人が』という点ばかりが強調されていますが、『一生涯で日本人の2人に1人が…』というのが正しい認識です。

80歳などの日本人の平均寿命まで生きたとしたら、2人に1人が…というはなしになってきます。この最終的に2人に1人がという数字は大事な意味もありますので、これから触れたいと思います。

それで勧誘するのは不適切

がん保険の相談に来た人に、『2人に1人が…』と切り取ったトークをすることは、保険業界を監督する金融庁から、不適切である旨の注意喚起が数年前にされました。

もしあなたの保険の担当者から、そういったトークで勧誘されたとしたら、その人はあまりがんのことを学んでないのかもしれませんので、別にセカンドオピニオンをとること(別の担当者にはなしを聞く)ことをおススメいたします。

他人事ではないとの認識を

ただ、平均寿命まで生きたとしたらという前提であるにしろ、2人に1人という数字は、50%の確率ということです。自分にも関係があるかもしれないという認識は持った方が良いかと思います。

また、乳がんなどの女性特有のがんに関しては、若いうちからなるリスクが高まるものもありますので、注意が必要です。

いつ頃考えるべき?

過去に保険相談会でお客様とおはなししていた時、よく『何歳くらいでがん保険考えた方がいいですか?』という質問をいただきました。

たしかにがんは年を取るほどリスクが上がる病気です。若いうちは確率だけで言えば、かなり低い数値となります。当然気になることだと思います。

考えるのは今

いつ考えるか?という問いには、私は即答します。『今です』と。もちろん考えること自体を先送りしないということが理由ですが、もうひとつ理由があります。

それは、がんを考えるきっかけはほとんどないからです。思いついた時に考えないと、機会すら訪れない可能性があります。

がん保険加入は別にしても、必要性の検討とがんを知るということは、思いついた時にしていただきたいと、私は考えています。

若いからこそ必要という考えも

確かにがんは高齢になってからリスクが高まる病気なのですが、それだけで保険の必要性を判断することは危険です。現実に20代30代40代でがんになってしまう人もいらっしゃいます。

私が保険を考えるにあたって、一番大切にしているのは、『今起きたら大丈夫か?』という視点です。まだ働き出して時間が経過しておらず、貯蓄が十分にできていない、若い年齢の時期にこそ、保険が必要という考え方もあるのだと思います。

2人に1人がなるならば…

まだ20代30代40代と若い人でも、長生きしたら2人に1人が…に該当します。私が常にお客様へお伝えしていたのは、将来50%の確率でがんと向き合うのであれば、今のうちにがんを知っておきましょう、ということでした。

これは、私が約9年間がん患者の家族として過ごした実感ですが、がんになってしまうとメンタル的なダメージを受けます。そこからがんを学ぼうと思っても、そう思い通りにはいかないということがあります。

夫婦という視点で考える

夫婦やパートナー同士という単位で考えれば、がんは必ずどちらかに訪れるという計算になります。そしてならなかった側の人は、がん患者の家族という立場になります。

つまり直接、間接の違いはあれど、いつか必ずがんと向き合う、確率は低いが若い時に向き合うこともある。それであれば若いうちに知っておくことに越したことはないと思います。

親子という視点で考える

ご自身がまだ若くても、親ががんの罹患年齢に近づいている場合もあります。親ががんになってしまった場合、あなたが様々な対応や選択をしなければならないかもしれません。

こういった観点から考えると、若いから関係ない、リスクが高まったら学ぼうという感覚は不適切であると言えるかもしれません。『何らかの形でがんに関わる』というように考えれば、今すでにリスクは高いと言えるのではないでしょうか。

がんを知ると行動が変わる

がんになってしまった時、がん患者さんやそのご家族が、どのようなことで大変なのかということを知ると、私は日々の行動が変わってくると思っています。

がんは生活習慣病とも言われますので、日頃の習慣を改めるきっかけになるかもしれません。それによりがんになるリスクを減らすことが期待できます。

情報に敏感に

がんに対して意識が向いていると、テレビやネットなどでのがんに関する情報にも興味が出てきます。最近は多くのがん患者さんがブログ等で、がんの闘病に関することや、自らの心境などを語ってくれています。

がん患者さんやそのご家族を悩ませていることは、本当に多岐にわたります。がんを体験している人と、全くがんを知らない人での情報格差が大きすぎることを、国も課題としています。

生活習慣が変わる

過度な飲酒や喫煙、運動不足等、がんのリスクを高める生活習慣がたくさんあります。がんになりたくない、怖いと思いながら、取っている行動が不適切。がんを知ることでその行動ギャップの解消が期待できるかもしれません。

こういった情報は、がん保険のパンフレットでは決して得られませんし、がんを学んでいない保険の担当者からも提供されません。

繰り返しになりますが、『2人に1人ががんになる』ということを、将来のことと捉えず、今かもしれないと思って、必要な備えをしていただきたいと思っています。

そのために、是非がんを語ることができる保険の担当者と出会えることを願っています。

次回は『#12 うちがん家系だから…』というタイトルでお話ししたいと思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

◇◆◇補足◇◆◇

このがん保険のトリセツは、1つのコラムでの文章量は少なめに抑え、要点だけをお伝えするようにしています。内容について、もう少し詳しく知りたいと思われた方は、是非関連する別のコラムもお読みください。

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