#8 日本人とがん|がん保険のトリセツ|第1章 がんを知る

がんは日本人にとって、国民病とも言われています。私は過去に10,000回以上の保険相談会に携わってきましたが『怖い病気は?』に対し、がんとお答えになる方がたくさんいらっしゃいました。

怖いから備えるのであれば、まずはがんを知ることが第一です。知ることで何に備える必要があるのか、理解することができると思います。

日本人の死因の第1位

日本人にとってどれくらい身近な病気なのか示すものとして、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで亡くなると推計されています。

数字に対する印象は人それぞれですが、男性の4人に1人、25%という数字は、それなりに高い数値ではないでしょうか。

1981年以降すっと…

がんが日本人の死因の第1位になったのは1981年です。そしてそれ以降ずっと1位のままです。

まだまだがんは分からないことも多く、完全な克服ができていないことの表れなのだと思います。

年間約40万人

1年間にがんでお亡くなりになる方の人数は、現在約40万人ほどと言われていて、この数字は過去から右肩上がりで増え続けています。

ちなみに1年間でがんと診断される患者さんの数は、現在約100万人で、こちらも増え続けているのが、日本におけるがんの状況です。

がんはどういう病気?

このコラムは医学に関するものではないですし、私は医師ではありません。ただ、全くイメージがないという方もいらっしゃるかと思うので軽く触れておきます。

詳しくお知りになりたい方は、国立がん研究センターなどのがん情報サイトなどで確認することができます。

異常な細胞増殖

私たちの体は、数十兆個もの細胞からなっています。その細胞は、必要に応じて増殖しますが、その増殖はコントロールされています。

ところが何らかの異常で、そのコントロールが効かなくなり、その増殖でできた余分な細胞がかたまりを作ります。そのかたまりを『腫瘍』と呼ぶそうです。

転移性が特徴の1つ

腫瘍には良性と悪性があり、『がん』という言葉は悪性腫瘍とほぼ同じ意味で使用されているようです。悪性腫瘍の特徴に転移性があります。

『がんの転移』という言葉を耳にすることがあります。がん細胞が血液などにのって他の臓器へ移動して増殖し、悪影響を及ぼす。

この転移があるがゆえに、がんは長い戦いになることがあり、それが怖さのひとつなのかもしれません。

以前は不治の病

30年以上前には、がんは不治の病という印象であるのが一般的であったと思います。ですから『がん=死』というイメージがあり、現在でもそういうイメージの方は少なくないのかもしれません。

ただいまだに怖い病気ではあるものの、がん治療の質は向上し、治療の選択肢も増えてきています。その象徴にがんの告知があると私は思います。

以前は告知されなかった

今から35年くらい前には、がんの告知はがん患者の家族にはするものの、本人には別の病名が伝えられることも多かったそうです。

また、今よりも『がん=死』のイメージがずっと強かったため、場合によって最期まで本人には病名は伏せたままということも珍しくなかったようです。

今は必ず告知される

今はほぼ100%、がん患者さん本人にがんの告知は行われます。私も母のがんの告知に立ち会い体験をしています。

今は詳しい病状の説明を受け、推奨される治療の説明を受け、最終的にがん患者さん本人が、その治療を受けるかどうするか判断を行います。ですから自分で判断する力も必要になっていると言えます。

国としての課題

数十年前から日本人のがんは問題となっていました。ただ国もそれを問題視し、実は予算をかけて様々な取り組みをしています。

まだがんになったことのない人に対し、伝わり切っていない点が大きな課題なのかと思いますが、この国が動いているということは、知っておいた方が良いかもしれません。

がん対策基本法

国は、2007年4月にがん対策を行うための法律を施行しました。その間、法律の改正などを行い、新たな課題に対する対応も行っています。

この法律に基づいて作られる『がん対策推進基本計画』には具体的な取り組みが書かれています。そこに書かれていることが、がんで多くの方が困っていること、という見方もできます。

がんを知ることの大切さ

実際がんになってしまった時、どんなことが辛いのか、それを知ることががんの備えの第一歩です。なぜなら何を備えていいかわからないからです。

多く方ががんの備えでがん保険に入ります。でもそれは本当のがんへの備えではありません。なぜならがんで辛いことの全てを、がん保険が助けてくれるわけではないからです。

がん保険はがんの備えの一部でしかありません。がんのことをどれだけ知っているかにより、万が一がんの告知を受けてしまった時のダメージの大きさが変わると、私は考えています。

是非がん保険の加入とともに、がんを知ることも併せて行っていただきたいと思います。

次回は、『#9 がんが減らない』というタイトルでお話ししたいと思います

◇◆◇補足◇◆◇

このがん保険のトリセツは、1つのコラムでの文章量は少なめに抑え、要点だけをお伝えするようにしています。内容について、もう少し詳しく知りたいと思われた方は、是非関連する別のコラムもお読みください。

がんの備え|がん保険では不十分!本当のがんへの備えの3つのステップ、というはなし

がんの備え|『がん治療までの流れから考えるがん保険』いつもらえるかによる違いを知ることも大切、というはなし

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