#4 がん保険は何の保険？｜がん保険のトリセツ｜はじめに

がんの保険でしょ…

『がん保険は何の保険？』と問われれば、多くの方はそう答えます。もちろん間違っていません。間違っていないのですが…。

がん保険に対し、正しく期待をすることが、実は非常に大切だと考えています。

がんのための保険だけど…

そうです。がん保険はがんのための保険です。ただし、この理解では少し抽象的すぎます。せっかくがんの備えとしてがん保険に入るので、できれば具体的に理解をしていただきたいと思います。

『がん』ではなく『がん治療費』

がん保険は『がん治療費のための保険』と、具体的に理解していただきたいと思っています。具体的には、本文で触れていきますが、漠然としたがん全般に対する保険ではなく、がん治療費の保険と覚えておいてください。

がん保険は大きく2種類

同じがん保険でも、お金を受け取れる条件において、大きく2つに分けることができます。ここでは簡単に触れておきますが、2種類のがん保険、大きな違いがあります。

がんになったら受け取れる

がんの診断が出た時点で、お金を受け取れることが決定するタイプ。これであれば、漠然とした理解でも、怖さは多少少ないかもしれません。

がん診断だけなので非常にわかりやすいですし、誤解する可能性も低いかと思います。

治療を受けないと受け取れない

もうひとつが、受けたがん治療に対してお金を受け取るタイプです。これは条件を満たした治療を受けなければ、お金を受け取れません。

例として

・入院したら1日当たり○○千円
・手術を受けたら○○万円

といった形で、具体的に支払い対象の治療内容と金額が明示されています。それに該当するのかどうか、注意が必要です。

どんなイメージだったか？

あなたががん保険に入った時、どんな場面でがん保険からお金を受け取れるイメージを持ったでしょうか。これは非常に大切なことだと思っています。

あなたの保険の担当者から、そういったイメージを描いてもらいながら、がん保険比較をされたでしょうか。

一旦保険のことは忘れられる

先ほどあげた2つのタイプのうちの1つ目の方は、がんの告知を受けた段階でお金の受け取りが決定します。先に確定することにはメリットがあります。

治療が終わってお金が掛かる場面までは、しばらくがん保険やお金のことは忘れて、治療に専念できる、私はそのように思います。

治療が終わるまでわからない

2つ目のタイプの方は、治療が完結しないといくら受け取れるかがわかりません。

何日入院したか？
どんな種類の治療を何回受けたか？

などによって金額が変わります。あとは、もし対象外の治療を受けてしまったら…。

がんになって治療を受けて、がん保険の請求をしたら、『今回の治療は支払対象外です』と言われること。これが一番怖いことなのです。

がんのお金を正しく理解

がん保険を2つに分類してみましたが、とても重要な違いがあることをご理解いただけたかと思います。

ただ、がんのお金に関して、事前にもう少し広い視野でイメージしておく必要があると、私は考えています。

どちらもがん治療費のため

お金の受け取りが確定するタイミングの違いはありますが、がん保険はその受取ったお金を治療費に充てていくことになります。

ですからがん保険は、がん治療費のための保険と理解していただきたいと思います。

治療費以外のがんのお金

ただがんになってしまった時のお金は、治療費だけとは限りません。治療費以外にもお金が必要となる場合、がん保険では力不足となる可能性があります。

詳しくは別に触れますが、がん保険が、がんのあらゆるお金を助けてくれるわけではない、ということを押さえておいていただきたいと思います。

がん保険の役割は、がん治療費への備えと捉えていただきたいと思います。それ以外の期待を持ってしまうと、実際がんと向き合った時に、期待外れと感じてしまう可能性があります。

次回は、そのがん治療費とお金について、触れていきたいと思います。

◇◆◇補足◇◆◇