がん保険の選び方|『がん保険の失効』失効中にがんになってしまったら…もうどうしようもない、というはなし
がん保険に加入する時には、必ず重要事項の説明を受け、理解をしましたという署名をしてから、申込書に進みます。ネットで申し込む場合は、ご自身で文面を読み、理解しましたというチェックを入れないと、先に進まないようになっていることが多いかと思います。重要事項は、契約上特に大事な点について、特記しているものですから、すべて大切です。
ただ、がんになってしまった時のために入るがん保険という観点から、私が最も重要なもののひとつと考えるのが、契約の『失効と復活』です。失効は、がん保険契約が自動的に終了してしまうこと、復活は、そのがん保険契約を再びもとに戻すことです。ただこの制度、安易に考えていると、あとでとてもつらい思いをする可能性があります。
そこで今回は、がん保険加入前に、必ず理解して、かつずっと覚えておいていただきたい、がん保険契約の失効と復活、その怖さについて、考えていきたいと思います。
まさに今、『がん保険の申込』をしようとしているあなたへ、お届けしたいはなしです。
目次
原則、2か月連続で支払いがなければ、自動的に契約が終了する
がん保険に限ったはなしではないですが、契約をした以上、定められたお金を支払わなければなりません。がん保険の場合、一般的に、月々払い、半年払い、年払いから選んで、契約を続ける限り、お金(保険料と言います)を支払っていきます。
2か月目の月末までに…
月々支払っていく、月払い契約の場合、例えば、11月分の保険料支払い期限は、11月末日になります。この日までに、引き落としや振り込み等で支払いがされなければ、1か月の猶予期間に入ります。保険会社はいったん待ってくれます。この猶予期間に、支払いがあれば、何かペナルティなどの悪影響はありません。
ただし、11月分の保険料が、猶予期間である12月末日までに支払われなかった場合、『失効』といって、契約が自動的に終了します。月払いの場合、2か月連続で支払がなければ…というイメージになります。
半年払い、年払いで違いも
半年払いや年払いの場合、最初の引き落とし期限に支払いがなかった場合、イメージ的には1ヶ月半程度の猶予期間が設定されます。同じように、その猶予期間内に支払があれば、問題はありません。ただし、設定された猶予期間内に支払いがなければ、契約は失効します。
なお、今ここで示した月払い、半年払い、年払いの猶予期間については、一般的な例として表現しております。実際あなたの契約での猶予期間等に関しては、今示したものと違う場合があります。正確な期限を確認したい場合には、契約を結んでいる保険会社にお問い合わせください。
復活という、契約を元に戻せる制度もある
一度がん保険が失効してしまった場合でも、一定期間内であれば、『復活』という手続きで、契約を元に戻せる場合があります。ただし、一般的に、1年以内などの期限がありますので、そのあたりはよく確認が必要です。無事に復活ができれば、契約は元に戻り、今までどおりのがんの保障を得ることができます。
復活にも診査がある
一度失効したがん保険契約を復活したい場合、一般的には、新規加入時と同様の『診査』が必要となります。がん保険の場合、『告知書』という書面に、健康状態や過去の病歴等を自己申告します。
この告知書での診査ですが、復活手続き時点の健康状態等の申告となります。のちほどお伝えしますが、新規契約時ではなく、復活手続き時点の健康状態等というところは、注意が必要です。
未払金を一括支払い
また、診査と合わせて、今までの未払い保険料を、一括でまとめて支払う必要もあります。延滞期間に応じた、延滞利息も付加した金額を払わなければならないことが、一般的です。このように、原則、健康診査と未払金の一括支払い、この2点が、復活の際に主に必要になってきます。
なお、ここでお伝えした内容は、一般的なはなしになります。あなたのがん保険における復活制度自体の有無、またそのルールについて、正確な情報を確認したい場合は、保険会社へお問い合わせください。
がんになってしまっていたら、ほぼ100%、復活はできない
がん保険契約が失効してしまった場合に、復活ができる場合があります。ただ、先ほどお伝えしたとおり、原則健康診査が必要となります。万が一、がん保険の失効後、がんの診断を受けてしまった場合、そのがんの事実を申告をしなければなりません。
健康状態の診査が前提
がん保険は、がんになっていない人、がんになるリスクが低い人がお金を出し合って成り立つものです。すでに、がんの診断を受けてしまったとなると、復活することは難しい可能性があります。
本当につらい展開に
がんになってしまった時にために、がん保険に加入するわけですが、いざがんになってしまった時には、失効していて、機能しない。復活という制度があったと思いだしても、すでにがんの診断を受けていて、診査がとおらず、復活ができなかった…。
これは、制度上起こり得ることです。そして、起きてしまうと、本当につらい思いをすると思います。
がんとがん保険を知ることが重要
一般的に、がん保険契約には、失効と復活の制度があります。非常にシビアな展開になることもあり得るので、このルールはしっかり押さえておいていただきたいと思います。そのうえで、大切と思うことが2つあります。
郵便物は必ず開ける
一般的に、保険料の引き落としが掛からなかった場合、引き落としができなった事実、失効するまでのスケジュール、未払金の支払期限、などを案内する郵便物やメールなどが、保険会社から届くと思います。
保険会社からの郵便物、メールは、必ずすぐに開けるクセをつけておいた方が良いと思います。捨てていい郵便もありますが、ひとまず開けるという対応をしていただきたいと思います。
がんを知ってその怖さも知る
保険料の支払いができないといケースにおいて、それが経済的な困窮であれば致し方ないところもあります。ただし、ついうっかりという理由で、保険料が払われないというケースがあったとしたら、それは要注意と思っていただきたいと思います。そのために、がんを知り、加入しているがん保険が本当に重要なものだという認識を持つことが大切なのだと思います。