がん保険の選び方|『がん保険の選び方』賢く選ぶための3つのステップ、というはなし

がん保険の賢い選び方についての3つのステップをご案内します

がん保険を始めとした保険商品。『よくわからない』というイメージをお持ちの方も多いかと思います。私は過去に10,000回以上の保険相談会に携わってきましたが、『ネットでいろいろ調べたけど、情報が多すぎて余計わからなくなった…』という感想を持たれる方が多かった印象があります。

がん保険を検索すると、たくさんの商品が出てきて、その優劣を語るランキングなどのサイトも見かけます。ランキングは一定の参考になると思いますが、『ある前提条件のもとでの順位付け』であることを押さえておく必要があります。コスパを含めた総合的なランキングが多い印象ですが、あなたが重視することに対してのランキングではない場合は、参考外である可能性があります。

そこで今回は、がん保険の選択を考えるうえで、賢い選択をしていくために必要な3つのステップについて、一緒に見ていきたいと思います。

まさに今、『がん保険を考えたいけど、たくさんありすぎてわからない』と感じているあなたへ、お届けしたいはなしです。

ステップ1『いつ受け取るか?』

がん保険は『がんになってしまった時にお金を受け取れる』というイメージがあるかと思います。実際そのとおりなのですが、厳密に言うともう少し正確に理解しておく必要があります。

もしあなたが、がん保険からお金を受け取る場合、2つのタイミングがあります(※1)。この2つ、言われればわかると思いますが、がん保険の選択をしようとしている時に、あいまいになってしまっていることがあります。私はこれは結構大切なことだと思っているので、以下でお伝えいたします。

※1 がん保険からお金を受け取る2つのタイミングについては、過去の記事「がんの備え|取扱い注意!がん保険には、2種類ある。その選択次第で、がんになった時の備えが変わってくるというはなし」を、是非ご覧ください

治療を受けた時

がんがあまり身近でない人ほど『万が一がんになってしまったら、何百万円の治療費がかかる』というイメージを持っていたりします。他の病気と比べ、治療費が高い、だからがん保険に入った方が良い。そのようなイメージなのだと思います。ここではがん治療の細かいことは省略しますが、治療が長期化した場合、累計の治療費は大きくなる可能性があります。

ですから、がん治療を受けたら、その受けた治療に対してお金を受け取ることができる、そんながん保険があります。それがひとつめ『治療を受けた時』にお金を受け取れるがん保険です。このタイプは、治療後、いわゆる事後払いという特徴があり、裏を返すと治療を受けなければお金を受け取れない、ということも意味します。

がんになった時点

がんになったら莫大な治療費がかかるというイメージを持っていると、がんで治療を受けないことはない、と感じるかもしれません。ただ実際には、がんの状態などによっては、積極的に治す治療ができないケースもあり得ます。その場合ですと、ひとつめのがん保険からはお金を受け取れない可能性があります。

一方がん保険の中には、治療の有無に関わらずお金を受け取れるタイプのがん保険も存在します。それが2つ目の『がんの診断を受けた時点』でお金を受け取れるがん保険です(※2)。こちらは、検査の結果、がんの診断が確定したらお金の受取りが確定します。その後、治療を受けるかどうかは問われません。ひとつめのがん保険は事後払いでしたが、こちらは前払いのがん保険になります。

※2 『がんの診断を受けた時点』でお金を受け取れるがん保険については、過去の記事「がんの備え|『がん保険の診断給付金』いくらぐらい必要なのか?というはなし」を、是非ご覧ください

ステップ2『何に備えるか?』

次は『なんのためにがん保険に入るのか?』という選択です。『がんになったらお金がかかる』という漠然としたイメージがあるかと思いますが、どんな費用に対して保険を掛けるかということも明確にしておきたいポイントです。

もしあなたががん保険からお金を受け取る場合、大きく2つの使い道があります。ひとつめはおそらく多くの方が、パッとイメージするもの、もうひとつは言われてみると…という感じかもしれません。どちらも大切なことで、がん保険選択時にはイメージしていただきたいと思いますので、以下でお伝えいたします。

がん治療費

『がんになったら何にお金が掛かりますか?』と尋ねられたら、あなたなら何とお答えになりますか。『治療費』という回答がおそらく一番多いのではないでしょうか。がんの治療費がたくさんかかるから、がん保険に加入する。すでにがん保険に加入している方でも、そういった方はいらっしゃると思います。

がん治療費へ備えるがん保険は、がんで手術を受けたら、がんで投薬治療を受けたら、といった具合で、『○○治療を受けたら…』という内容のものが多いです。また、がん治療のために、入院したら、通院したら、という形で、『○○したら…』というものも存在します。

失われた収入

もうひとつかかるお金があります。それは、生活費です。これは、主にがんの再発・転移などで、治療が継続した結果、体力の低下や治療の副作用等で、仕事を継続することができず、収入を失ってしまったケースで起こり得ます(※3)。

その状態がどの程度継続するかによって、かかる費用は変わってきます。ただ、20年前、30年前よりも、がんでも長く生きられるようになっています。生きていれば生活費が必ず掛かります。収入を失うことは、経済的に大きなダメージとなる可能性があります。治療費ではなく、こちらへ備えておくという考え方もあります。

※3 がんで収入を失うケースについては、過去の記事「がんの備え|意外と忘れられがちな、がんになってしまった時にも発生する普通のお金」を、是非ご覧ください

ステップ3『いつまで?』

がんに対して、どのようなタイプのがん保険を選択するか?最後のステップが、いつまでがん保険の備えを持ち続けるか?という選択です。保険には必ずこの『いつまで?』という期間設定(保険期間と言います)があります(※4)。

あなたががん保険からお金を受け取れる、という安心をいつまでにするかには、大きく2つの選択肢があります。当然ながら、安心は長ければ長いほど良いと感じるかもしれません。ただし、長ければ長いほど、月々のあなたの経済的負担(保険料と言います)も大きくなります。月々の家計とのバランスも大切ですし、がん保険選択時にはよく考えていただきたいと思いますので、以下でお伝えいたします。

※4 「がんの備え|『終身保障か?定期保障か?』がん保険を選ぶ際の、ひとつのポイント、保険期間についてのはなし」を、是非ご覧ください。

生きている限り

がん保険のCMなどで『終身保障』などという言葉を耳にすることがありませんか。終身保障とは、文字通り『身が終わるまで』ということで、生きている限り(一生涯)がん保険が守ってくれる、という意味になります。

がんは年をとればとるほどリスクが高まります。なる確率が高い時ほど、より保険に守ってほしいという気持ちは強くなるかもしれません。その場合には、あらかじめ終身保障タイプのがん保険という選択があります。

一定期間

終身保障に対して、保険には『定期保障』というタイプもあります。定められた期間ということで、あらかじめ10年や20年といった期間限定で、がん保険の契約をする形態です。

終身タイプと比べると、一般的に月々の負担(保険料)を安く抑えることが可能です。また、年を取る(例えば定年退職)までに、がんなどへの医療費の備えを貯蓄などで作っておく、まだ貯蓄ができていない、それまでの期間(現役時代)は、がん保険に守ってもらう、そんな考え方もあるかと思います。

がんを知ることから

ステップ1と2に関しては、がん治療の実態や、がんになってしまった時の生活がどうなるのか、ということがイメージできないと選択が難しいですし、ステップ3に関しては、ライフプランや資金計画といったことへのイメージが必要となります。

がんが心配だから、何でもいいからがん保険に加入しておく。また、がん保険に入っているから、がんは安心というように思っていると、実際がんになってしまった時に、大きなギャップ(ショック)を受ける可能性があります(※5)。がん保険に何を期待するか、ということを明確にすることが大切だと思います。

※5 がん保険に入っているから、がんは安心ということについては、過去の記事「がんの備え|『がんは若い時に、会社で終身保障のがん保険に入っているから安心なんだ!』とおっしゃったお客様との出会い」を、是非ご覧ください

イメージが必要

がん保険を賢く選択するためには、適切な情報をもとにしたイメージが必要になります。がんが身近でない方は、その情報を取得すること自体が難しい可能性があります。私自身は、がん患者の家族という立場を、約9年間体験したので、そのイメージを持つことができるようになりました。

ただ、仮に周りにがん経験者がいたとしても、なかなかお金のはなしなどはしづらい可能性もあります。日本では、がんになる前に、がんのことを知るための場所が少ない印象があります。情報が入りづらいことが、国としてがんが減らない原因になっているのかもしれません。

がん保険相談時に情報を

確実にがんのはなしができる場面として、がん保険相談時があります。保険ショップなどに相談に行けば、がん保険を選択するにあたって、様々なアドバイスをもらえる可能性があります。是非その機会を大切にしていただきたいと思います。

がん保険や生命保険の相談の機会に、あなたの保険の担当者から、がんに関する保険の商品情報だけではなく、がん治療の実態や、実は大事な日本の医療のルールなど、実際がんになってしまった時の影像が浮かぶ情報を得ながら、正しいがんへの備えを作っていただきたいと思います(※6)(※7)。

がんと聞いて、がん保険商品の選択肢しか出せない人は、がんについて、しっかり学んでいない可能性があります。もし、はなしの内容が薄いと感じたならば、他でセカンドオピニオンをとってでも、正しい情報をとっておくことをおススメいたします(※8)。それくらい、事前にがんを学んでいるかどうかは、大きな違いだと思っています。それは、正しいがんの知識を持たずに、約9年間、がん患者の家族という立場を体験した、私の実感でもあります。

(※6) がん治療の実態については、過去の記事「がんの備え|私たちが日本でがんになってしまった時、選択肢となる『4つのがん療養』」を、是非ご覧ください

(※7) 実は大事な日本の医療のルールについては、過去の記事「がんの備え|がんと日本の医療のルールを知らないことにより、主治医とのミスコミュニケーションが生じる可能性があるというはなし」を、是非ご覧ください

(※8) 生命(がん)保険相談のセカンドオピニオンについては、過去の記事「がんの備え|『がん保険選びにもセカンドオピニオン』一番大切なことは、オトクながん保険選びではない、というはなし」を、是非ご覧ください

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