がん保険の選び方|『がん保険、必要?不要?』論争があります。私はどちらかと言えば、不要かな・・・というはなし

がん保険の賢い選び方についての3つのステップをご案内します

『がん保険』とグーグルで検索する際、『がん保険 いらない』『がん保険 必要性』という検索候補が一覧に出てきます(2021年11月18日午後1時38分頃)。それだけ多くの人の関心事なのだと思います。

がんになってしまった方の中には『がん保険は入っておいた方がいいよ』とおっしゃる方もいますし、一方、がんが身近でない方の中には『若いうちはがんになる可能性はかなり低いから、がん保険はいらない』という考えの方もいらっしゃるようです。

みなさまはどうお考えですか?

そこで今回は、私がん保険を必要と考えるかどうか、またがんの備えとしてどのような保険があるべき形なのか、そしてがん保険とはどのような保険なのか、ということについて、一緒に見ていきたいと思います。

まさに今、『がん保険が必要かどうか迷われている』あなたへ、お届けしたいはなしです。


私は、『がんの保険』が必要というスタンス

『がん保険、必要???』と聞かれれば、基本的には、YesかNoしか回答のしようがないのですが、そのどちらかで答えなさいと問われれば、Noです。ただ、そう答えたことについて『がんに保険は不要』と理解されるのは困るのです。

社会人前半戦、20代~40代で、これから資産を築いていくという方には、私は『がん保険』ではなく『がんの保険』はお勧めしています。つまり『がん保険』という商品をお勧めしていないというスタンスです。

特定(3大)疾病保険という選択

私は、 20代~40代の方には、一定期間、『特定(3大)疾病保険』という種類の保険をお勧めしています(保険会社により名称が違う場合があります)。これはどういった保険かというと、

・がんの診断を受けた
・急性心筋梗塞で、麻痺など所定の状態になった
・脳卒中で、麻痺など所定の状態になった
・高度障害状態になった
・死亡した

のどれかに該当したら、指定した、まとまったお金(一時金)を受け取れるという保険です。昔は、加入者も多かったのですが、最近は販売停止にする保険会社もあり、あまりメジャーではない印象です。ただ、私はこういったものが本来の保険なのだと考えています。

がんについてはどこでも同じ

上にあげた、5つの支払い条件ですが、細かいところについては、保険会社により多少違いがあります。ですから、実際選ぶ時には、そこも吟味します。ただ、がんについては、この商品を選んだ場合、どこの保険会社の商品を選んでも

がんの診断を受けた

が、支払い条件となっていることが一般的です。がんに関して、『がん診断だけ』という『非常に客観的でわかりやすい』条件なのが、おススメの理由のひとつです。


なぜこれがおススメなのか?

まず、ひとつめのおススメ理由が、さきほどの『がん診断だけ』というわかりやすさなのですが、これはあとで揉めないということがポイントです。一般的ながん保険のパンフレットを見てみると、いろいろ書いてあります。

がんの診断を受けて…

・入院したら…
・手術を受けたら…
・放射線治療を受けたら…
・抗がん剤治療を受けたら…
・先進医療を受けたら…

など、たくさんの支払い条件が書いてあります。これ治療が終わってみないと、お金が払われるのか?いくらもらえるのか?わかりません。

治療前のがん診断でお金を受取れること、そしてその金額が確定する保険と、どちらががんに対する安心感があると思いますか。

1,000万円の大きな一時金

いろいろ支払い条件が書いてあるがん保険の中にも、『がん診断だけ』で支払いが確定する保障があります。以前に比べると多くなってきています。 私は、お客様へがんへの備えのはなしをする時に、このわかりやすい、がん診断だけでの保障を、1,000万円といった大きな金額で提案いたします。

もちろん1,000万円という金額から、家族構成、収入状況、貯蓄の状況、今度のライフイベントなどをふまえながら、金額を増減していきます。家計を支えている人ならば、1,500万円~3,000万円になることもあります。専業主婦(夫)で収入がなければ500万円、シングルの方であれば1,000万円~2,000万円など。

もちろんその方の状況やお考えによって調整していきますが、コンセプトは、

大きな一時金

です。

がん保険にもたいてい『がん診断給付金』といった名称で、この診断だけでお金がもらえる保障があります。ところが、ほとんどの商品が、200万円か300万円程度までしか設定ができないのです。

細かいお金をチョコチョコ受け取るのは、本来の保険の役割ではないと思っているので、私はがんへの備えについては、この特定(3大)疾病保険の活用をおススメしています。

がんは治療費だけでは済まない

なぜ大きな一時金が必要なのか?

がんの保険に入る理由は、がんのために自由に使える貯蓄が今はないからです。では、保険はどういう役割を果たすべきか?万が一がんになってしまった時、まさにその時、必要な貯蓄を作ることなのです。

例えば、1,000万円の設定をしておけば、がん診断後すぐに、あなたの銀行口座に、1,000万円が振り込まれます(厳密に言えば、書類手続きは必要です)。このお金は、がんへの備えでかけていた保険ですから、がんのために使っていいお金です。

がんの場合、治療費もそれなりにかかることもありますが、金銭的に一番きつくなるのは、治療の後遺症や副作用により、仕事の継続が困難になったケースです。がんになって収入がなくなっても、今まで通りの(家族での)生活費は発生し続ける。このことが、意外と見落とされがちになります(※1)。

先ほど紹介した一般的ながん保険での、入院したら…とか、手術を受けたら…という支払い条件は、すべて治療のためのお金で、その治療を受けた時にしか、お金を払ってくれません。

がんで保険を使ってでも備えるべきなのは、生活費にまで支障が出てしまうケースだと私は考えています。そのためには、進んでいく中でチョコチョコの支払いではなく、最初に、大きな一時金をもらう方が、安心できると、私は考えています。

※1 がんになって収入を失うケースについては、過去の記事「がんの備え|意外と忘れられがちな、がんになってしまった時にも発生する普通のお金」を、是非ご覧ください


がん保険は、『がん治療費』保険ととらえておく

がん保険と聞くと、がんになった際のあらゆる費用について、守ってくれそうなイメージがあります。基本的に、がん保険は、受けたがん治療費に対する保険ととらえておくことが大切だと思います。

診断給付金など、診断時に一時金を払ってくれる保障もありますが、額は50万円、100万円といったものが多く、がんの副作用などで退職してしまったことに対する、生活費の備えにはなりません。

何でも払ってくれるとの錯覚

パンフレットを広げると、『あれも出る、これも出る、全部出る!』という印象のものもあります。例えば、がんで

① 手術を受けたら、20万円支払い
② 放射線治療を受けたら、20万円支払い
③ 抗がん剤治療を受けたら、10万円支払い

といった保障があります。これは、がんの3大治療ともいわれ、がん患者さんが受けることが多い治療方法です。一定期間に全て受ける可能性はゼロではないですが、同時に行うことはありません。最初に①を受けて、一定期間後、再発予防で③を受ける、などといったケースは多くあります。

ただその場合、②は出番がありません。毎月保険会社にお金(保険料といいます)を払いますが、②の分も払っています。がんになった時のために、がん保険に入っているのに、働かないがん保険があるということです。そういった意味からも、私は診断時に全てが確定する、大きな一時金を重視しています。

陳腐化のリスク、すぐにチェックを

それから、がん保険に加入する場合、注意しなければならないことがあります。それは、がん保険加入から時間が経過すると、その保障が陳腐化してしまうリスクがあるということです(※2)。

がんはまだまだ分からないことが多く、世界中で研究が行われています。ここ数年でも、毎年新しい治療方法が、世に出てきています。

あなたのがん保険で、『あれも出る、これも出る、全部出る!』というように見える保障内容も、あくまで保険加入時点での、治療のトレンドに合わせたものだと認識しておかなければなりません。

新しい治療方法が主流になったとしても、その治療に対する保障は、あなたのがん保険にはありません。つまり、定期的に見直しをかけなければ、いざがんの診断を受けた時に、全然役に立たないというリスクがあります(※3)。

それと比較して、『がんと診断されたら支払い』という条件は、陳腐化しません。これが、診断での一時金をおススメする、もうひとつの理由です。

もし、あなたが、がん保険加入から数年経過しているのであれば、すぐにチェックすることをおススメします。

※2 がん保険の保障が陳腐化するケースについては、過去の記事「がんの備え|『私の家族が入っていたがん保険』がん保険は時代の変化についていけないかも、というはなし」を、是非ご覧ください

※3 がん保険が全然役に立たないケースについては、過去の記事「がんの備え|『がんは若い時に、会社で終身保障のがん保険に入っているから安心なんだ!』とおっしゃったお客様との出会い」を、是非ご覧ください


『がんへの備え=がん保険』は、危険な誤り

がんに備えたいと思い、多くの方がご相談にいらっしゃいます。ただし、がんへの備えは、がん保険ではありません。先ほども申し上げたとおり、がん保険は、がんの治療費への備えです。

もし、がん治療費に対して、がん保険で備えたいならば、がん保険に加入することに合理性はあると思います。ただ、がんへの備えをしようとした時に、最初にするべきことは、保険の検討ではなく、情報を集めることです。

まずはがんを知ること

がんになってしまった時に、どのような治療費にいくらかかるか?といったことも気になりますが、そもそも、医師からどのような治療の提案をされ、私たちがどうやって治療を選択すればよいのか?といった、日本の医療のルールのようなところを知っておくことも、実は非常に大切です。

また、がんの診断を受けてしまうと、メンタル的にもダメージを受けます。そうすると、どのような行動を取ったらよいのかもわからなくなることもあります。そういった時に、どこに相談できる場所があるのかということも、あらかじめ知っておきたいことです。

そして先ほど触れた、がんの副作用などで、仕事が難しくなった時に、自分の勤め先でどのようなサポート(制度)があるのかなど、収入状況がどうなる可能性があるのかも、知っておくべきことです。

こういった、がんになってしまった時の状況を知って、初めてそれに対してどうするべきかということが見えてきます。それこそが、本当のがんの備えになるのだと思います。

お金の前に、がんに対する情報を持ち、そして、どのようなお金(費用)に対して、どのような保険でカバーしていくか、という順に考えていくことが大切です(※4)。

※4 お金の前に、がんに対する情報を持つことの大切さについては、過去の記事「がんの備え|がん保険では不十分!本当のがんへの備えの3つのステップ、というはなし」を、是非ご覧ください

生命保険検討時しかない

繰り返しになりますが、がんへの備えで一番大切だと私が考えていることが

がんを知ること

です。

がん患者さんは、様々な負担を負ってがんと向き合っています。その中で、もちろんお金の負担も小さくない場合があります。ですからがん保険を考えることも大切です。ただ、がんになってしまった時に、お金も含めてどのような負担があるのかを知ることが、本当のがんの備えと言えるのだと私は考えています。

では、その情報をどこからとれば良いのか?家族にがん患者さんがいないと、なかなか考えるきっかけもないというのが、現実です。

そういった中、自然とがんが話題になるケースとして、生命保険の検討時があると思います。生命保険を考える時には、がんも話題となります。是非その機会を大切にしていただきたいと思います。

生命保険相談の機会に、あなたの保険の担当者から、がんに関する保険の商品情報だけではなく、がん治療の実態や、実は大事な日本の医療のルールなど、実際がんになってしまった時の影像が浮かぶ情報を得ながら、正しいがんへの備えを作っていただきたいと思います(※5)(※6)。

がんと聞いて、がん保険商品の選択肢しか出せない人は、がんについて、しっかり学んでいない可能性があります。もし、はなしの内容が薄いと感じたならば、他でセカンドオピニオンをとってでも、正しい情報をとっておくことをおススメいたします(※7)。

それくらい、事前にがんを学んでいるかどうかは、大きな違いだと思っています。それは、正しいがんの知識を持たずに、約9年間、がん患者の家族という立場を体験した、私の実感でもあります。

(※5) がん治療の実態については、過去の記事「がんの備え|私たちが日本でがんになってしまった時、選択肢となる『4つのがん療養』」を、是非ご覧ください

(※6) 実は大事な日本の医療のルールについては、過去の記事「がんの備え|がんと日本の医療のルールを知らないことにより、主治医とのミスコミュニケーションが生じる可能性があるというはなし」を、是非ご覧ください

(※7) 生命(がん)保険相談のセカンドオピニオンについては、過去の記事「がんの備え|『がん保険選びにもセカンドオピニオン』一番大切なことは、オトクながん保険選びではない、というはなし」を、是非ご覧ください

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